2018年 10月 15日
プライバシー不在の交差点
いままで何回も、何十回も、何百回も?は大げさかな、いや、大げさじゃないかな、
わかんないけど、相当回数渡ってきた渋谷のスクランブル交差点。
近頃じゃ、もう渡りたくないなと思っている。
渡るたびに、誰か知らない人、それは知らない外国人、知らない観光客、
そして知らない取材カメラに撮られている。
結構、負担。気持ちが安らがない。
世界のどこかでしかめつらした私の写真や映像が見られるのもイヤだし
といってごきげんなニコニコ顔ならいいかというと、そういうものでもない。
ただの通りすがりだもの、ただの風景なんだもの、その時、私は。
神経質だとか、過敏すぎるとか、ノイローゼだとか、
そんなこと言われたって、私がイヤなんだから仕方ない。
でも「仕方ない」に関して言えば、渋谷駅前のスクランブル交差点は、
世界に名が知れているかはよく知らねども
たぶん国内外問わず、東京のガイドブックに載っていないわけない観光地なのだから、
まさにあそこに集まるなとか、あそこで写真撮るなとか、そんなことは言えないのだ。
こちらも仕方ないのだ。
エッフェル塔の下で写真撮るなと言われても、
グランドセントラル駅前で写真撮るなと言われても、
大英博物館前で写真撮るなと言われても、ねえ、それはねえ、言えないわねえ。
というか、撮りたくなる人々の気持ちはわかる。
取材のカメラは違うけども(しょっちゅう撮ってるけど、使い回しじゃダメなの?)
外国の人々なんて、みんなすごいうれしそう。ハッピー!って顔してる。
もちろんそれ自体はイヤじゃないのだけど。いや、どっちかっつったら好きなんだけど。
それで、こんな風に負担に思っているのなら
スクランブル交差点は、近くに別の交差点だってあるし、なんなら地下道だってあるわけだし、
これからはなるべく、なるべく、あの駅前の交差点を上手に避けよう、と心の中で私は決めました。
特に日中、街から駅へ向かって渡るのはやめよう。
駅側から街側を狙って撮っている人が多いからね。
で、仕方ない仕方ないの行ったり来たりであっても
こんなこと思ってるってヒステリックだなと実はまったく思わないわけでもないんだけど
じゃあ、どういう状況ならいいのかしらと思うと、
あのハッピー!な顔してる観光の人々が直接私に声かけてくれて、
一緒に写真撮ろうよ!とか言ってくれるんだったらね、ずいぶん気分が違う。
連絡先を交換しなくても、その後の未来に一度も出会うことがなくても
思い出とともに私の顔を、私という一人の人として認識して見てくれるのなら、わりといい感じ。
その時には私もきっと、ちゃんと意味のある、ごきげんなニコニコ顔ができるだろうし、
「いい旅を!」なんてことを言って、手を振ってわかれることもできる。
かもしれない。
人にもよるけど。
って、当たり前だけど。
だから断ることだってあるわけだけど。
そんなこと考えるとやっぱり結構面倒だから、
結局は他の交差点と地下道を駆使しちゃうんだけど!
by rekinokoyomi
| 2018-10-15 20:04
| なんてことない話