暦の暦(れきのこよみ) rekikoyo.exblog.jp

歌手です お話するよ


by rekinokoyomi
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

ぽんぽんの手応えの記憶

今日、久しぶりに駅前の民藝品店に入ってみた。
この店は小さい頃から駅前にあって、
母がよく寄っていたので、連れられて入っていた。
その当時、店内は全体的に暗くて、濃い茶色っぽくて(子どもの持った印象)、
木の梁が見えているとか、いろりがあったりの民家風。
いかにも民藝品店です、といった雰囲気だった。

そこで私が楽しみだったのは、民藝のおもちゃ。
駒とか、だるま落としとか、けん玉とか。
紙風船とか。

長い髪を後ろで束ねていて、
二重の幅が広くてとろんとした大きな目で化粧っけがほとんどなくて、
いつもとっくりのセーターにスカートみたいな服装だったお店のお姉さんが
小さな私にちょくちょく紙風船をくれた。

紙風船が好きだった。
手の平くらいの大きさのものから、ちょっとしたビーチボールくらいの大きさまで
大小さまざまな紙風船で、おばあちゃんと遊んだ。

日本のちゃんとした紙風船は、紙が薄いようでありながら案外しっかりしていて
その分、色も濃くて、赤、緑、青、白、黄色、どの色もしっかりしていた。
膨らます瞬間、紙の中に吹き込んだ息の音とか、
バリバリと広がっていく紙の音や糊の匂いを覚えている。
紙だから繊細であるのは確かなのに、とても頼りになるもの。

大人になるにつれて、世の中で見かける紙風船は
紙が妙に薄くなって、色もなんだ濃度がなく軽薄になって、
その音や匂いもかわってしまったから
膨らましても、もう以前の安心感のようなものは感じられない。
別に、ぽんぽんと空中に向かってついていなくて、
ただ手に持っているだけですら、
頼りないものを空中に授けている気持ちになるからおもしろくない。

さて、今日入った民藝品店は、すでに以前のような民家風の建物ではない。
その後、その土地には大手銀行の建物が建って、
お店(恐らく土地の持ち主)は裏側から階段を下りて地下になった。
入るとギャラリーとお店の両方みたいな雰囲気で、気軽じゃない。
お店の人は別にこちらに干渉するでもなく、黙々と自分の作業をしているから
別に見張られてるような気持ちなんかはしないんだけど
なんとなく、冷やかしでは入りにくいな。
今日はもちろん既にそのことは知ってて入ったんだけど。

お店としてはいまも素敵なものがいろいろあって、
でも今日は、きちんとした、気に入ったナニカ、を
見つけられなかったから、結局、みみかきを1本買って帰った。
だけど、昔みたいないい色の素敵な紙風船があったら
もしかしたら今ごろぽんぽんとついていたかもね。
[PR]
トラックバックURL : https://rekikoyo.exblog.jp/tb/14012890
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by rekinokoyomi | 2011-11-16 01:30 | 思い出したり考えたり | Trackback | Comments(0)